†錬金術の基盤†



アル:ここまで前置きがすっご―――く長かったけど、いよいよ本家本元ってかんじだね、兄さん!
エド:そうだそうだ、なんでこれが一番初めにきてないんだか
まったく、構成をよく考えろってんだ。あ、俺か・・・
ウィ:さぁ気合入れてくわよ〜!!ほら、よろしくね国家錬金術師さん♪
エド:(あてつけかよ?)ほんじゃま、いってみっか!
昔の錬金術が、宗教的・魔術的な意味の行為も伴っていたってことは、前に話したよな?
ウィ:話してないわよ
エド:えっ・・・ 
 
    ― 間 ―

・・・ホントだ。歴史すっ飛ばしてある・・・
ごめん。簡単に説明するな。
古代メソポタミアやギリシアでは占星術が宇宙のすべてのできごとと関係があると考えられていた。
そこで、占星術的な考え方は錬金術を行う上で重要になったんだ。
これが宗教的・魔術的行為が伴う理由だ。
そうだ、前の講義で記号の説明したとき(かっこ)のなかに火星だとか土星だとか書いてあったろ。
あれも占星術からきているわけだ。
ウィ:あぁ、あれね!なんで書いてあるのか不思議だったのよね〜
エド:んで、錬金術は占星術的儀式に影響を受けてるんだ。専門じゃねぇから詳しいことはわかんねぇけど。
それから、歴史が進むにつれて東洋やインドからきた考え方も混じった。
これらの考え方はアリストテレスやプラトンなどにまとめあげられ、ギリシア思想になったんだ。
で、このアリストテレスの物質の構造についての考え方が表の錬金術の基礎となっているんだ。
裏の秘教的な錬金術は残念ながらわかんねぇ。
俺たちの錬金術とは発展の仕方が違うからな、こっちのは。
師匠に習ったのも公表はできねぇし・・・。
ウィ:(聞いてない)なんか学校で第一質料とかやったような・・・
アル:よく覚えてるね、ウィンリィ・・・(遠い目
ああいうつまんない倫理の勉強もこうやって考えてみると面白いよね
ウィ:アルは倫理なんて勉強してないじゃない。 ??
エド:倫理は大佐に受けさせるべきだな。 おっと、わき道にそれちまった
他にもピタゴラスが神秘数を使う数秘術を発展させたりしたけど、今回はアリストテレスに絞って講義するぜ。

アリストテレスの物質構造は 「物質世界=第一質料が元となってできているもの」 だ。
第一質料に「形相」が与えられることで、様々な物質が作られると考えたんだな。
んで、「形相」ってのは単に形だけを言っているのではなく、「物体に特殊な性質を付与するあらゆるもの」なんだ。
単純な形相の現れは「四元素」と「基本性質」の二つがある。
まず「四元素」は火・気・水・土 の四つから成って、「基本性質」には 湿・乾・熱・冷 がある。
「四元素」はそれぞれ「基本性質」のうちいずれか二つを持っていて、その性質によって特徴が生まれるんだ。

火 :熱・乾 、熱 が優性
気 :熱・湿 、湿 が優性
水 :冷・湿 、冷 が優性
土 :冷・乾 、乾 が優性

熱・冷と乾・湿はそれぞれ相反する性質だから同時に持つことはできない。

・・・わかるか?
ウィ:一気に言われるとちょっと・・・。頭ごちゃごちゃよ
アル:今回は図を用意したから、それも参考に使って。

ウィ:うん、これあるといいわ。
中にある四角がちょっと時計まわりに回ったカンジなのかな?
エド:そうだな。熱は火寄りに、乾は土よりに、ってなもんで。
で、四元素はそれぞれ共通の性質を介して行き来できる。例えば気は湿を介して水になれる、とかな。
図の外を囲ってる正方形の線をなぞるとわかりやすいかもしれねぇ
また、二つの元素を合わせて、それぞれから一つずつ性質を取り去って、第三の元素にすることも可能だ。
火・水から熱・湿をとることで土にすることができる、とか。
ウィ:いまいちわっかんないな〜 気体を湿らせたら水になるわけ?水を冷やしたら土になるの??
アル:う〜ん、気体には湿っていう性質があってそれの性質を高める作業をすると水になる、ってかんじかな。
まぁアリストテレスはこう考えた、位に考えておいてくれればいいよ
エド:理屈で理解、じゃなく直感で理解、だからな俺たちは・・・ 、そういうもんなんだ、ってことで。
あー・・・要するに、つまりだな・・・、あらゆる物質は「第一質料」に「元素」が与えられたものであり、
物質相互の違いは元素の存在比の違いによるものであるんだ。
これはどんな物質でも適切な処理をすれば他の物質に変成が可能であることを示してる。
この理論が金属錬成理論の始まりで、錬金術の哲学的な裏付けでもある。
これらの考え方は生木を加熱したときに観察される現象が根拠になってるんだろな。
木の切り口から水滴が生じるから水を含み、蒸気がたちのぼるから気を含み、燃えるから火を含み、灰が残るから土を含む。
ウィ:はぁ〜 なんとな〜くだけどわかったかも。
それで、様々な物質の錬成方法をみんなががんばって探すことになるわけね。
アル:だから賢者の石も錬成が可能なんだ。賢者の石は世界霊魂の塊なわけだけど、世界霊魂は世界の元、だから。
物質を適切な処理でうまく変成することができればその元である世界霊魂も取り出せると考えたんだろうね。
ウィ:あ〜〜〜〜!!!なんかそんなのあったわね!世界レンコン。第一要因ね。
でも第一質料と第一要因の関係がよくわかんないよ・・・
どっちも錬金術の基本なとこなんでしょ?つながりとかないの?
エド:こっちの錬金術と俺たちの錬金術はちょっとちがうからな。 
俺流に説明すれば第一要因が形を変えて現れたのものが第一質料で、これに元素が与えられて物質になるってとこか。
だから賢者の石は物質から精製できるんだろ。逆をたどればいいわけだからな。
ただ第一要因は純粋にエネルギー体だからな、形になるっていっても一つの形に決まってるわけじゃなくいろいろな形に成り得る可能性を持ってる。
最も純粋で利用しやすい形にしたのが、賢者の石という一つの形なんだと俺は思ってる。(※)
っつことで次回はいよいよ賢者の石についてにすっか?
ウィ:おぉ〜〜!
て、こんなところで解説していいの?
エド:別に大衆に知られていることだけ公表するから問題ねぇし。
というか俺たちもよくは知らないだけなんだけどな。
アル:他の賢者の石の錬成方法があるなら僕たちも知りたいくらいだよ。
ウィ:他の・・・って、もう錬成方法見つかったの?
エド:あ、いや、えーと、別に、錬成過程の途中で途切れてる方法しかまだ見つかってなくって・・・
(このバカっ!!
アル:(ごめん兄さん・・・
そういうわけで、次回は賢者の石関係の話をしたいと思います!
また今度♪

(※ ここは文献引用ではなく管理人自身の考えです。そこらへんについては自由に解釈してください。

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